みなさん、こんにちは。暫くぶりの投稿です。
2023年11月28日から3日間、ウルグアイにてGeneXusインターナショナルミーティング GX 30が開催されました。
前回が2019年になるので4年ぶりのリアル開催でした。本当に久しぶりに世界中から集まった面々に会えてとても懐かしく、嬉しく思いました。
オープニングキーノートスピーチをするニコラス・ホダールCEO
さて、イベントを通じてのレポートを幾つか。
イベントの参加人数は少なめでした。以前はメインホール(BallRoom)が一杯で立ち見で溢れるほどでしたが、今回は空席もチラホラ。GeneXus社の人に聞いたら、オンライン参加者が多いとの事。イベント参加もパンデミック後の新様式でした
GeneXus 社の講演ではやはりAI関連が目立っていました。GeneXus Next と、GeneXus Enterprise AI の二つです。それぞれをざっくり説明します。
・GeneXus Next は以前の投稿でも紹介しましたが、Webベースのノーコード開発ツールです。自然言語で記述した業務要件をAIが解析し、トランザクションオブジェクトを定義、WorkWithPlusパターンとデザインシステムを適用する事でメンテナンスのUIまで自動生成してくれます。「業務要件を記述」というと、どのレベルまで書くとどんな内容まで実装してくれるの?と気になる所ですが、今時点では
・トランザクションストラクチャの出力
・ビジネスプロセスダイアグラムの出力
でした。これも機能的には追加されていくものと思われます。
既存のGeneXusとの関係が気になりますが、講演の中では「ノーコードでモデリング」と言っていましたので、GeneXus を置き換えるものではなく、要件定義時のモデリングツール的な使い方をイメージしているのではないでしょうか?また、Nextで実装した技術をGeneXusにも実装していくと言っていましたので、AI機能の実験場であるのかもしれません。
あとはマルチプラットフォーム IDE という言い方も(Web版とは別に)していました。こちらはVS Code のプラグインで提供されるのかもしれません。
・GeneXus Enterprise AI は、LLMに対するコネクタ製品との事。自分で開発したアプリ(ナレッジベース)から、Enterprise AI のインターフェース経由でLLMに接続できます。なぜアプリから直接LLMに接続しないのか?いというと、一つは接続先となるLLMは固定ではなくサポートしているものであれば(OpenAI、GoogleBird、etc)共通のインターフェースで接続できます。もう一つは、Enterprise tAIにはエンベディングが含まれているとの事で、いわゆるベクトルデータベースを使ってLLMに対する情報付加が出来るようになります。
既にGeneXus Wiki はGeneXus Enterprise AIを使用しているバージョンにアップデートされています。
AI 系の講演で全般的に共通していたのが、コンセプチュアルな説明が多く、具体的なデモが少なかったです。これは今時点ではテクニカルプレビューの意味合いが強く、具体的な価格やライセンス体系も含めた製品としての出荷は来年以降になるからと思われます。
(具体的な情報は何もないので、この記事を見たからといって、ジェネクサス・ジャパンへ問い合わせるのはお控えください)
AI の次にGeneXus社が力を入れていたのがSuperApp/Mini App でした。これはネイティブモバイルジェネレーター(スマホアプリ)の新機能になるのですが、中国のWeChat、日本ではLineやPayPayをイメージしてもらうと判りやすいです。SuperAppがいわゆる親アプリ(プラットフォームアプリ)で、MiniAppが抜き差し可能な子アプリになります。
またスーパーアップにはプラットフォーマーとしての決済インターフェイスが用意されているので、eコマース的なミニアプリからスーパアプリの決済を使う事も出来ます。デモではイタオ銀行のスーパーアプリ上で、カフェや映画のチケットを購入できるミニアプリが動作していました。
そして、MiniAppを管理するアプリがMini App センターです。ミニアプリのアップロード、申請、承認、公開といった、アプリストアとしてのワークフローを備えた運用支援ツールになっています。
この3つの構成でエコシステムを構築する事ができます。(もちろん、ビジネスモデル・スキームは必要ですが)
ちなみに、独自のミニアプリストアで公開するミニアプリですが、Apple app store 、Google Play store の審査は必要ないのか?とGeneXus社の担当者に聞いてみたところ、それは問題ないとの事でした。コロナ過中にウルグアイではGeneXus社がコロナ対応アプリをいち早くリリースしていましたが、その頃にApple、Google各社に問い合わせていて、問題ないと回答をもらっているそうです。
スーパーアプリに関しては既存のスクラッチアプリにミニアップレンダーというスーパーアップ用のインターフェースを組み込む方法(いわゆるマイグレーション)と、GeneXusで一から開発する方法の二種類を用意しているようです。これにより、速やかな市場展開が出来ます。
という、ことで簡単にと言いながら結構長くなってしまいましたが、4年ぶりのGXインターナショナルミーティングのレポートを終わります。
それぞれ詳細な情報を入手したら記事にしようと思います。
では。