特にこの話題にこだわりがあるわけではありませんが(笑)、ブログネタとして書いた以上は事の顛末も書いた方がいいでしょう。
"Saas is dead"が広まったのは、特に2024年末の BG2 Podcast(Bill Gurley / Brad Gerstner)でのSatya Nadellaの発言が震源だそうです。
https://x.com/EugeneNg/status/1868454830098002163
彼は厳密には、「SaaS is dead」という短文だけを公式スローガンとして断言したわけではなく、
・従来型SaaSは崩壊する
・CRUD + 業務ロジック中心のアプリはAIエージェント層へ吸収される
・UI中心のソフトウェア価値が変わる
という趣旨を語りました。
その後、SNS・LinkedIn・VC界隈・AI界隈が、“SaaS is dead”という刺激的な短文に圧縮して拡散しました。
要約すると彼の主張は、
・多くの業務アプリは本質的にはCRUD
・ビジネスロジックはAIエージェント側へ移動する
・UIを人間が操作する時代から、
・AIが複数システムを横断して処理する時代になる
というものです。つまり彼が言いたかったのは、「SaaS企業が全部消える」ではなく、
「SaaSの価値レイヤーが変わる」に近いです。
ただ、この発言の内容に私は若干疑問を持ちます。
・ビジネスロジックはAIエージェント側へ移動する
ここですね。
「AIエージェント」をどう捕らえるか? によって話しは変わってきます。一般的な人はあまり区別が無いと思いますが、「エージェント」はLLMを活用した(呼び出す)ブログラム、「(生成)AI」はLLMです。
こと生成AI(LLM)に関しては、実は「処理を実行する」事も「計算する」事すらできません。
例えば、ChatGPTで「1+1は?」とか「円周率は?」と質問をすると「2」とか「3.141592...」とか、もっともらしい答えが返ってきますが、まさにもっともらしい答えを出力しているだけで計算した結果ではありません。LLMとは学習したデータに基づいて確率的に一番高い答えを選択して出力しているだけです。
とはいえ、最近では実際には計算した結果を出力する事もありますが、それはその場で計算式を組み込んだPythonプログラムを出力し、そのプログラムが実行した結果を出力しているのです。
そうした事を踏まえると「ビジネスロジックはAIエージェント側へ移動する」は少し大袈裟で、もちろんエージェントがアドホックに生成したプログラムをビジネスロジックと呼んでいるのかもしれませんが、どちらかというとAIエージェントはあるサービスを操作し、抽出されたデータを他のサービスへ連携しつつ別な処理を始める。といったオーケストレーターとしての存在の方が現実的な気がします。
まあ、彼らの頭の中は私の想像つかない未来を予想しているかもしれません。皆さんはどう思いますか?
では。

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